バングラデシュは若年労働人口が豊富で、伝統的な手工業から発展した技能教育の下、造船分野でも優秀な人材を数多く輩出しています。本稿では、具体的な造船関連職種における人材のスキル、実務内容、教育背景、国際的な評価などをより詳細にご紹介いたします。
バングラデシュの溶接工は、板厚数ミリの薄板から20mm以上の厚板まで、さまざまな材質への溶接を正確に行う技術を持っています。多くの技術者は、アーク溶接(SMAW)、MIG溶接(GMAW)、TIG溶接(GTAW)、およびFCAWの全てに対応できる能力を有しており、AWS(米国溶接協会)認証やISO 9606などの国際規格に準拠した資格を保有しています。実務では、ガスカット、開先加工、溶接後のビード検査、歪取り作業などを日常的にこなしており、日本国内での技能実習生・特定技能としても高く評価されています。
配管工は船舶のあらゆる機能に直結する重要職種であり、バングラデシュでは水配管、油配管、空調配管、高圧蒸気配管などに対応できる多能な人材が育っています。作業内容は、配管レイアウトの図面読解から材料選定、パイプの切断・加工・バリ取り、溶接、ネジ接合、継手装着、そして漏れ検査まで多岐にわたります。特に、狭所作業や複雑なルート取りを伴う配管施工において、現場での判断力と実行力を持つ人材が多数存在し、海外プロジェクトでも重宝されています。
板金工は、鋼板から大型ブロック構造物を作り上げる役割を担います。バングラデシュの板金工は、シアカット機、プラズマカッター、曲げ加工機を駆使し、寸法精度の高い加工を実現しています。また、曲げ角度や溶接用開先角の計算など、構造設計と連携した作業を行うことが可能であり、AutoCADや図面を基に切断レイアウトを構成する能力も備えています。溶接工と兼任することも多く、作業効率の高い多能工人材として評価されています。
バングラデシュの電装工は、造船において主に発電系統(主発・補機発)、配電盤、照明システム、警報機、モーター制御、通信設備などの電気系統を担当します。電装工は図面に基づいてケーブルルートを設計し、配線工事、端末処理、絶縁抵抗測定、結線テスト、試運転までを実施します。中にはPLC制御やインバーター設定まで対応できる中上級者も存在し、IEC規格やJIS規格に準拠した作業経験もあります。
機関整備士は、主機(Main Engine)、発電機(Generator)、ポンプ、冷却装置、油水分離器、バルブなど、あらゆる機関系統の保守整備を行います。バングラデシュの人材は、工具の扱いに熟達しており、分解整備、ベアリング交換、シール材調整、組立、試運転、異音・振動確認など一連の作業を独力で実施できます。また、エンジンマニュアルの英語読解力がある者も多く、国際的な現場でも即戦力として高評価を受けています。
造船業においては、防食性を確保するための塗装が非常に重要です。バングラデシュの塗装工は、サンドブラストによる旧塗膜除去、錆除去、表面粗度の均一化を行い、プライマー塗布、中塗り、上塗りといった各工程を正確に実施します。刷毛塗り・ローラー・スプレーの全てに対応可能で、膜厚測定器を使った品質管理や乾燥時間の管理にも習熟しています。
艤装工は、船体構造完成後の最終的な機能装備を担当し、ハッチ、梯子、タンク、ドア、配管支持具、内装品の設置などを行います。バングラデシュの艤装工は、鋼材の現物合わせによる調整作業、現場溶接、グラインダー使用、トルク管理などを正確に実施し、設計変更にも柔軟に対応できます。
工科系の卒業生やTTCなどの専門学校出身者の中には、AutoCAD、SolidWorks、ShipConstructor、Avevaなどのソフトウェアを扱える者が増加しています。設計補助として、配管ルート図の作成、部材リスト作成、簡易な構造検討、工程表作成支援などを行い、国内外の造船所にてバックオフィス支援を担っています。
品質管理においては、NDT(非破壊検査)技術が不可欠であり、UT(超音波探傷)、MT(磁粉探傷)、PT(浸透探傷)、RT(放射線検査)など、レベル2資格を保有した人材が育成されています。検査結果の英語レポート作成、ISO 9001に基づく品質管理体制の維持、製品トレーサビリティ管理にも対応可能です。
大型構造物やエンジン、資材を安全に運搬・設置するには、高度なオペレーションスキルが必要です。バングラデシュの港湾都市では、ジブクレーン、ガントリークレーン、フォークリフト、トレーラーヘッドなどの運転技能者が育成されており、作業指示に従って正確かつ迅速な積降ろし作業を実施できます。安全教育の普及も進み、合図者との連携による事故防止体制が整っています。
このように、バングラデシュには各造船職種に特化した熟練労働者が数多く存在し、技能の多様性と実務力の高さが大きな強みです。今後、日本を含む国際市場において、これらの人材を受け入れ、教育・訓練を重ねていくことで、持続可能な造船人材の育成と供給が可能になると考えられます。
日本国内連絡先
認定送出機関GRAバングラデシュ/バングラビジネスパートナーズ/OCGコンサルティング(派遣・紹介免許保有)
〒150-0043東京都渋谷区道玄坂1-9-4ODAビル3階Tel:03-3462-0151
代表:岡崎透
www.gra81.com (日本サイト)
www.bangla-business-partners.com
送出機関 現地法人
ダフォディル大学グループ・GRAグローバルリクルーティングエージェンシー/ M/S Global Recruiting Agency
Daffodil Tower 04: 102/1, Shukrabad, Mirpur Road, Dhanmondi, Dhaka-1207, Bangladesh.
Tel: +8802 8156524, 01811-458868 / 現地代表:Mohammad Nuruzzaman 現地担当:Neamat Ullah , 日本代表 Toru Okazaki
お問い合わせはこちらからお願します