バングラデシュの運転免許制度

はじめに

バングラデシュの運転免許制度は、国家の交通管理機関である「BRTA（Bangladesh Road Transport Authority）」によって監督されています。免許は運転する車両の種類・積載量・構造に応じて複数のカテゴリーに分かれており、通常の乗用車から大型トラック・トレーラーまで、多様な交通ニーズに対応できるよう制度が整備されています。本稿では、バングラデシュの運転免許制度について、普通免許、中型免許、大型免許、そして牽引免許の4つのカテゴリに分けて詳述します。

 

第1章：普通免許（Light Motor Vehicle License）

 

1-1. 対象車両
「普通免許（Light Driving License）」は、以下のような軽量の自動車に対して適用されます。
- 自家用車（セダン、ハッチバック、SUV）
- 軽商用車（ピックアップトラックなど、積載量3トン以下）
- 三輪車（CNGリキシャ等）
- 小型マイクロバス（最大座席数14席程度）

BRTAの分類では、最大積載量7,500kg（7.5トン）以下の車両が「軽自動車（Light Motor Vehicle）」に該当します。

 

1-2. 取得条件
- 年齢：18歳以上
- 必要書類：
  - 国民識別番号（NID）またはパスポート
  - 健康診断書
  - 写真2枚
- 試験内容：
  - 筆記試験（交通法規、標識の意味、基本操作）
  - 実技試験（簡単な運転操作と駐車）
- 試験言語：英語もしくはベンガル語

 

1-3. 有効期限と更新
- 初回取得後、最長で5年間有効
- 失効前に更新可能（再試験不要）

 

第2章：中型免許（Medium Motor Vehicle License）

 

2-1. 対象車両
- 中型トラック（積載量7.5〜12トン）
- ミニバス〜中型バス（座席数30〜40）
- 商業用配送車（中型規模）

BRTAにより「7,501kg〜12,000kgの積載重量を持つ車両」と定義されています。

 

2-2. 取得条件
- 年齢：23歳以上
- 前提条件：
  - 普通免許の保有（3年以上の運転経験が必要）
  - 無事故・無違反の運転歴が望ましい
- 推薦状：一部地域ではユニオン評議会からの推薦状が求められることもあります
- 試験内容：
  - 筆記試験（車両の重量に応じた制動距離、ブレーキ操作等）
  - 実技試験（中型車両の狭路運転、駐車、車庫入れなど）

 

2-3. 実務上のポイント
- 配送業・物流業界で広く利用される免許
- 一部の外資系企業では中型免許取得者に給与加算制度が存在

 

第3章：大型免許（Heavy Motor Vehicle License）

 

3-1. 対象車両
- 大型トラック（積載量12トン超）
- 大型バス（40席以上）
- 建設用特殊車両（クレーン、ロードローラーなど）

 

3-2. 取得条件
- 年齢：25歳以上
- 前提条件：
  - 中型免許を3年以上保持、または18か月以上保持かつユニオンの推薦状
- 試験内容：
  - 理論試験（重量物の運転時の安全確保等）
  - 実技試験（坂道、急カーブ、バック駐車など）

 

3-3. 雇用面でのメリット
- 国営企業や海外就労において有利
- 高収入職への道が広がる

 

第4章：牽引免許（Trailer/Articulated Vehicle License）

 

4-1. 対象車両
- セミトレーラー
- フルトレーラー
- 特殊牽引車両

 

4-2. 取得条件
- 年齢：25歳以上
- 大型免許の取得後、3年以上の経験または推薦状
- 実技と理論試験あり

 

4-3. 実務での役割
- 港湾運送、建設、国際物流などで高需要
- 高収入かつ専門性の高い職業分野

 

第5章：その他の重要事項

 

5-1. デジタル化の進展
- スマートカード化が進行中。約60万件が未発行（2025年時点）

 

5-2. 無免許運転の課題
- 推定200万台が無免許者により運転されている
- 交通安全上の課題として指摘されている

 

おわりに

 

バングラデシュは普通免許の他、中型免許、大型免許、牽引免許が明確に制度化されています。この制度ルールに基づいて日本における適切なレベル別の外免切替が可能です。これもバングラデシュ人を日本のトラックドライバーとして採用しやすい理由になります。ぜひ下記よりお問合せください。