バングラデシュからの特定技能ドライバー

バングラデシュから特定技能ドライバーを採用すべき10の理由

 

2025年に解禁された外国人トラックドライバーの採用において、バングラデシュ国が注目されています。

以下のような要因が、バングラデシュに注目される背景です。

 

 

1. 国際的な出稼ぎ文化と海外就労経験の豊富さ

バングラデシュは「出稼ぎ国家」として知られ、約1,000万人の国民が中東や東南アジア諸国で労働者として活躍しています。とくにサウジアラビアやUAEなどでは、トラックドライバーとして勤務する者も多く、厳しい砂漠環境や長距離輸送に従事した経験を持っています。こうした海外での就労経験は、日本の労働文化や交通事情への適応にも役立ちます。右側通行、交通ルール、外国人上司とのやり取りに慣れている点は、日本の物流現場でも即戦力として機能する大きなアドバンテージとなっています。


 

2. 中型・大型車両運転に関するスキルと免許制度

バングラデシュの運転免許制度には、小型・中型・大型・牽引車といった分類があり、多くの運転手が中型・大型免許を保有しています。現地では交通インフラが未整備の地域も多く、悪路や混雑道路での運転に慣れているため、高い判断力と運転技術を身に付けています。さらに、輸送業務の中で車両整備や荷役作業も兼ねることが多く、日本のトラック業務に求められる多能工的な能力とも一致します。これらの技能は、日本の特定技能試験の実技にも適応可能な実践力を示します。


 

3. 高い学習意欲と日本語能力習得への適応力

バングラデシュでは、日本で働くことを目指す若者が日本語の学習に熱心に取り組んでいます。特にダフォディル大学やDaffodil Japan ITのような日本語教育機関では、JLPT N4JFT-Basic合格を目標としたカリキュラムが整備されており、日本語での業務指示を理解できる人材が多数育成されています。教育水準が比較的高いバングラデシュでは、知的好奇心が強く、異文化適応力にも優れています。語学に加え、日本のマナーや交通ルールの理解にも意欲的で、スムーズな現場導入が期待できます。


 

4. 肉体的な耐久性と過酷な労働環境への耐性

バングラデシュの労働者は、炎天下や長時間労働といった過酷な条件にも耐える強靭な身体と精神力を持っています。これは、インフラが整っていない環境下での生活や、手作業中心の産業構造に起因しています。トラック業界では長時間運転や夜間走行、積荷作業など体力を要する仕事が多くありますが、こうした環境に慣れたバングラデシュ人材は、高い持久力と集中力を維持できるため、日本企業にとって信頼できる労働力となります。体育会系的な勤労精神も強く、上司からの指示にも素直に従う傾向があります。


 

5. 若年人口の多さと労働供給力の高さ

バングラデシュの平均年齢は約27歳で、国民の約6割が30歳未満という若年国家です。毎年200万人以上の若者が労働市場に加わっており、海外就労を希望する層も増加しています。日本ではドライバーの平均年齢が50歳を超える中、体力に富んだ若いバングラデシュ人材は、労働力不足の穴を埋める重要な存在となります。また、労働意欲も高く、「家族のために稼ぎたい」という強いモチベーションを持つことが多いため、長期就労にも積極的です。若さと意欲が組み合わさった人材は、企業にとって育成しがいのある貴重な戦力です。


 

6. 日本との二国間協定と送り出し機関の整備

日本とバングラデシュは2019年に「特定技能に関する協力覚書(MOC)」を締結し、政府公認の送り出し機関制度を整備しました。これにより、現地では不正ブローカー排除、適切な事前教育、履歴書の信頼性向上が実現されています。送り出し機関であるGRAバングラデシュやダフォディル大学グループでは、日本語教育と並行して日本の労働慣習、交通ルール、安全教育を提供しています。送り出しから受け入れまでのスムーズな連携体制が確立されており、雇用主が安心して採用できる環境が整っています。


 

7. 雇用コストと定着率の面での優位性

日本人ドライバーの確保が困難になる中で、外国人材の活用はコストパフォーマンスの面でも優位です。特定技能での採用では、法定の賃金条件を満たしつつも、日本人と比べてコストを抑えやすい側面があります。さらに、バングラデシュ人は「家族への仕送り」や「長期滞在によるキャリア形成」を目的とするケースが多いため、途中退職が少なく、定着率が高い傾向にあります。特に地方の中小運送会社では、安定的に働く外国人材を確保することが業績維持の鍵となっており、バングラデシュ人はその解決策となり得ます。


 

8. 宗教的背景と禁酒文化によるトラブルの少なさ

バングラデシュはイスラム教徒が90%以上を占める国であり、日常的に飲酒を控える文化があります。これは、日本のトラック業界で重視される「飲酒運転ゼロ」に非常に適しています。トラックドライバーとしての信頼性、安全運転の意識、勤務中の規律保持といった面において、飲酒に関するトラブルが起きにくいという利点があります。また、礼儀正しく、上司や顧客に対する敬意を大切にする文化背景もあり、日本社会への適応にも良い影響を与えます。モラルの高さは雇用主からも高く評価されています。


 

9. 日本での先行事例と実績

すでに日本では、バングラデシュ人ドライバーの受け入れが進んでいます。特定技能制度を利用して物流業界に配属された事例では、大型トラック、冷蔵輸送車、建設資材運搬車など多様な車両を任されています。雇用主からは「指示をしっかり理解し、真面目に働く」「安全運転を重視し、事故が少ない」といった声が上がっており、評価は非常に高いです。また、同郷の仲間同士の支え合い文化もあり、孤立しづらく職場定着にも貢献しています。こうした先行事例は、今後の受け入れ拡大の礎となるものです。


 

10. 持続可能な人材育成と将来展望

 

現地の教育機関と日本の企業・登録支援機関との連携によって、持続可能な人材供給体制が形成されつつあります。ダフォディル大学では日本式運転教育カリキュラムや模擬試験の導入も進んでおり、実務的かつ実践的な教育が可能となっています。今後は、ドライバーとしての就労にとどまらず、リーダーや教育担当、管理職としての昇格も視野に入れられます。定住支援制度を通じた長期滞在も期待され、日本の地方における地域活性化の一翼を担う存在になる可能性を秘めています。