バングラデシュDaffodil Groupにおける

自動車整備職教育・研修体制

 

1. はじめに

バングラデシュは近年、経済成長と都市化の進展に伴い、自動車の保有台数が急速に増加しています。それに伴い、自動車整備の人材育成の重要性は急速に高まっており、整備技術者の教育・研修に力を入れる民間教育機関が増加しています。その中でも、Daffodil Groupは国内最大級の教育グループとして、自動車整備分野においても体系的な教育・訓練を行い、国内外の自動車産業に通用する人材を育成しています。
本稿では、Daffodil Groupの自動車整備職向け教育・研修体制の概要と、日本の自動車整備会社が採用するうえでの魅力について詳しくご説明いたします。


2. Daffodil Groupの概要

Daffodil Groupは、教育・IT・人材育成を軸に30年以上の歴史を持つ大手グループです。特に職業教育・技術教育に強みを持ち、**Daffodil Polytechnic InstituteDPIDaffodil International UniversityDIU**などを通じて、多様な専門分野での人材育成を行っています。
自動車整備分野においては以下の教育機関が中心的な役割を担っています。

  1. Daffodil Polytechnic InstituteDPI
    • 国家認定のポリテクニック教育機関
    • 自動車技術科(Automobile Technology Department)を設置
    • 国家職業資格(BTEB認定)に基づくカリキュラムを提供
  2. Daffodil Technical Training CenterDTTC
    • 実務重視型の短期・中期研修を実施
    • 自動車整備・溶接・電気など複合技能の育成が可能
  3. 国際連携プログラム
    • 日本やマレーシア、ドイツの企業・教育機関との技術連携
    • 日本の自動車整備会社への就職を視野に入れた特別プログラムを開発

3. 教育カリキュラムの特徴

Daffodil Groupにおける自動車整備教育は、理論と実習のバランスを重視しています。主なカリキュラムの特徴は以下の通りです。

3-1. 基礎理論教育

  • 自動車工学基礎(エンジン、シャーシ、電装系)
  • メカニクス、材料力学、電気・電子基礎
  • 自動車の安全基準・排ガス規制に関する基本知識

3-2. 実習教育

  • エンジン分解・組立実習
  • 自動車電装系(バッテリー、オルタネーター、スターター)の点検・修理
  • ブレーキ・サスペンション・トランスミッション整備
  • 診断機器(OBDスキャナ)を用いたトラブルシューティング実習
  • ハイブリッド車および電気自動車基礎整備

実習時間は全カリキュラムの50%以上を占め、現場で即戦力となる技能を養います。

3-3. 安全・品質教育

  • 工場内安全作業手順(5SKY活動)
  • 工具・計測機器の適正使用
  • 品質管理と作業記録の作成方法

日本企業で求められる「安全・品質意識」を高めるため、現場型の教育を重視しています。


4. 国際就労に向けた特別プログラム

Daffodil Groupでは、日本をはじめ海外での就労を目指す整備人材向けに特別プログラムを設置しています。

  1. 日本語教育
    • JLPT N5N4レベルを目標とした日本語教育を実施
    • 自動車整備現場で必要な用語(例:トルクレンチ、オイル交換、車検)を中心に指導
    • 職場でのホウレンソウ(報告・連絡・相談)を意識した会話訓練
  2. 日本の作業文化・マナー教育
    • 時間厳守、整理整頓、作業手順書の遵守を徹底
    • 安全衛生基準や工具管理の習慣を日本型に合わせて教育
    • 実習生や特定技能として渡航後も即戦力となるよう設計
  3. 技能試験対策
    • 日本の特定技能試験(自動車整備分野)に対応した学習
    • 実技試験対策として、日本車両の整備実習を重視
    • 模擬試験を通じて合格率を高める取り組み

5. 設備・研修環境

Daffodil Groupは、バングラデシュ国内でもトップクラスの実習設備を備えています。

  • 各種日本車・欧州車の実習車両(トヨタ、日産、スズキ、ホンダ)
  • エンジン・トランスミッションカットモデル
  • 最新OBD診断機器、トルクレンチ、電装テスター
  • 安全対策を施した整備実習場(換気、排気ガス処理設備)

また、国内自動車ディーラーとの提携により、インターンシップや現場研修も実施しています。これにより、座学と実習だけでなく、実際の現場での応用力を高めています。


6. 日本の自動車整備会社にとっての採用メリット

Daffodil Groupの卒業生・研修修了者を採用することには、以下のメリットがあります。

  1. 基礎技能がしっかりしており即戦力化が早い
    • エンジン・電装・ブレーキなど主要整備に対応可能
    • 安全意識と品質意識が高く、日本の作業現場に適応しやすい
  2. 日本語と職場文化への理解
    • 基本的な日本語会話が可能で、現場でのコミュニケーションが円滑
    • 時間厳守、整理整頓、報告・連絡・相談など、日本的な職場文化を理解
  3. 長期就労の意欲が高い
    • 海外就労への強い意欲と家族支援への責任感
    • 特定技能や技能実習からのキャリアアップにも対応可能
  4. 教育機関との連携サポート
    • 採用後も継続的な教育支援や追加研修が可能
    • 日本企業向けにオーダーメイド研修の実施も可能

7. 今後の展望

Daffodil Groupでは、今後さらに日本企業との連携を強化し、以下の取り組みを進めます。

  • 日本車整備に特化した専用コースの新設
  • 電動車両・EV整備教育の拡充
  • オンライン教育と実地研修のハイブリッド化
  • 日本企業とのインターンシップ・共同訓練プログラム

これにより、バングラデシュから日本への自動車整備人材供給をより安定化させ、企業側にとっても安心して採用できる体制を構築していきます。


8. まとめ

Daffodil Groupは、バングラデシュにおける自動車整備教育のリーダー的存在として、理論・実習・国際対応教育を三位一体で提供しています。日本の自動車整備会社にとって、同グループの卒業生は即戦力かつ長期雇用に適した人材であり、採用の大きなメリットがあります。

今後、Daffodil Groupと日本企業の連携が進むことで、より高品質な整備人材の育成と供給が可能となり、両国にとって大きな利益をもたらすと考えています。