バングラデシュにおける技能実習制度の費用支払い方法・調達方法
はじめに
日本における人手不足を背景に、技能実習制度はますますその重要性を増しています。従来はベトナムやインドネシアが主要な送り出し国でしたが、近年、バングラデシュも急速に存在感を高め、日本の受入れ機関にとって重要なパートナーとなりつつあります。
しかし、バングラデシュにおける技能実習希望者にとって、渡航までにかかる費用は大きな負担です。一般家庭にとっては、数か月から数年分の生活費に相当する額であり、そのため費用の支払い方法や調達手段には独自の特徴や課題が存在します。
本稿では、バングラデシュにおける技能実習制度の費用構造、支払いのタイミング、具体的な調達方法、そしてそれを取り巻く社会的・宗教的背景を詳しく解説いたします。
1.渡航にかかる費用の内訳
まず、バングラデシュから日本へ技能実習生として渡航する際に必要となる主な費用項目を整理します。
1-1 日本語学習費
バングラデシュの多くの送り出し機関では、日本語能力試験で一定以上の合格を目指す教育が行われます。そのため、日本語学習費が発生し、受講期間や教育機関によって負担額に差があります。都市部の方が地方に比べ高額になる傾向があります。
1-2 宿泊・生活費(研修中)
研修期間中は宿泊施設に滞在する必要があり、その際の寮費や食費が発生します。送り出し機関によっては寮費を無料にする場合もありますが、一般的には一定の費用負担が伴います。
1-3 書類取得費
パスポート、出生証明書、無犯罪証明書、各種翻訳や認証手続きに関する費用も技能実習生の自己負担です。書類の種類や地域によって料金は異なります。
1-4 健康診断費用
日本の受入企業や監理団体が求める詳細な健康診断が必要であり、そのための検査費用が発生します。
1-5 渡航費
航空券代がかかりますが、時期や航空会社により大きく変動します。
1-6 送り出し機関手数料
送り出し機関への手数料が最も大きな支出項目となります。書類作成、受入企業とのマッチング、研修費などが含まれ、機関ごとに設定が異なります。
1-7 ビザ申請料
日本大使館でのビザ申請には所定の手数料がかかりますが、送り出し機関が代行する際には別途手数料が請求される場合もあります。
以上を合計すると、バングラデシュの技能実習生が渡航までに要する費用は、国民の平均的な年収を超える規模に及ぶことが珍しくありません。
2.費用支払いのタイミングと方法
バングラデシュでは、支払いが段階的に行われることが一般的です。おおまかな流れは以下のとおりです。
支払い方法としては、現金払いが最も一般的ですが、都市部では銀行振込も増えています。また、親族や知人から立て替えてもらい、実際の支払い時には他人名義の口座を経由することも珍しくありません。
3.費用調達の方法
バングラデシュにおける技能実習生の渡航費用調達は、いくつかのパターンに分けられます。
3-1 親族からの借入
バングラデシュでは家族や親族同士の助け合いが極めて強い文化があります。兄弟、叔父、従兄弟、義理の家族など、広い範囲の親族から資金を借りるケースが非常に多いです。
3-2 海外出稼ぎ者からの送金(リマンス)
バングラデシュ独自の特徴として、海外で働く家族からの送金、いわゆる「リマンス」が挙げられます。
3-3 金融機関からのローン
親族からの支援で不足する場合、銀行やマイクロファイナンス機関を利用する人もいます。
3-4 農地・家屋の売却
地方の農村部では、家族が所有する農地や住宅を売却して資金を作る例もあります。特に農地はバングラデシュの家庭にとって生活の基盤であり、その売却は非常に大きな決断です。
3-5 コミュニティによる共同出資
村や地域単位で渡航希望者を支援する文化もあります。村人が少額ずつ出資し、若者の渡航を支援する仕組みです。
4.送り出し機関による立替制度
近年では、送り出し機関自体が渡航費用を立て替えるケースも増加しています。具体的には、渡航に必要な全額を機関が立て替え、日本での給与から天引きする形で分割返済させる仕組みです。
メリット
デメリット
バングラデシュ政府はこの制度の過剰な乱用を懸念し、規制を強化しています。しかし、農村部ではこれが唯一の渡航手段となることもあり、完全な廃止は現実的ではありません。
5.宗教文化と金融慣行の影響
バングラデシュはイスラム教徒が国民の大多数を占めています。イスラム教の教義では利息を忌避するため、金融の慣行に強い影響を及ぼしています。
このような宗教的・文化的背景が、バングラデシュの技能実習渡航費用の調達方法に大きな影響を与えています。
6.課題と今後の展望
バングラデシュの技能実習生が抱える課題は多岐にわたります。
ただ、バングラデシュ政府も技能実習制度を国家戦略の一つとして位置づけ、支援体制の整備を進めています。中央銀行による融資制度の拡充や、送り出し機関への監査強化、海外送金の公式ルート利用促進などの施策が進行中です。
また、日本側の受入れ団体との連携強化により、費用の透明化や悪質ブローカー排除が少しずつ進んでおり、今後の改善が期待されています。
結論
バングラデシュにおける技能実習制度の費用支払い方法・調達方法は、他国とは大きく異なり、親族支援や海外送金の役割が非常に大きい点が特徴です。一方で、金融機関の融資や送り出し機関の立替制度など、さまざまな手段が活用されており、個々の家庭の事情によって選択肢が異なります。
今後は、制度の透明化と金利負担の軽減が大きな課題となり、技能実習生が安心して日本で働ける環境づくりがますます求められると考えられます。
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